プラスチックレンズについて


プラスチックレンズの構造と、「熱」によりレンズ基材が「膨張」してコーティングが割れる仕組み

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現在、プラスチックレンズの普及率は90%~95%だと言われています。ガラスレンズには出来ない様々なカラー染色が可能で、ガラスレンズでは加工出来ないデザインのフレームが非常に多いためです。近年ではガラスレンズにも劣らない強度のコーティング技術の進歩によってレンズメーカーによってはプラスチックレンズだけを取り扱う製造元もあるくらいです。ただ、素材がプラスチックである以上、その欠点というものがあります。それは「熱」です。
 
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熱によりコーティングがひび割れを起こした様子。曇ったようになります。
 
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拡大しました。網の目のような状態になっています。やがて剥がれてきます。
 
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大きなキズはありますが、コーティングのひび割れは起こしていないレンズ。透明度が全く違います。



 

一般的にプラスチックレンズのコーティングがひび割れを起こすのは、「60度以上~の熱」
注意する事!
サウナ 夏場の車内に置いたまま
サウナ 夏場の車内に置いたまま
料理中の油跳ね 繰り返しの入浴(温泉など)
赤文字は特に注意!ですが、サウナ用に安いガラスレンズで作った眼鏡を別に持ったり、入浴用に古い眼鏡を使っていたりと、皆様工夫されているようです。



 

レンズの特性

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昔はガラスレンズが主流で、プラスチックレンズが普及し始めた頃は球面設計のレンズしかなく、度数が強い人はとても厚くなってしまいました。
今から30年前頃から同じ度数でも球面設計のレンズより薄く仕上がる非球面設計のレンズが発売され、プラスチックレンズにおいては現在、両面非球面設計というものまであります。大きく分けてレンズには「球面設計」と「非球面設計」があり、双方にはそれぞれの特性もあります。瞳孔間距離が狭い人が大き過ぎるフレームを選ばれる場合、初めて眼鏡を装用する場合、現在使っているレンズの設計を変える場合、など、専門店ではレンズの特性に注意しています。
 
(特性)瞳の前(光学中心)から離れたところで見た場合の度数誤差
  球面レンズ 非球面レンズ
プラス度数 度が強く感じる 度が弱く感じる
マイナス度数 度が強く感じる 度が弱く感じる



 

フレームの適正なサイズ選びでレンズ厚に違いが出る。

厳密に眼鏡とは、瞳孔間距離に対してフレームのサイズを決定します。顔の大きさに対してではありません。「より薄く・軽く・見やすく」しようと考えると、サイズ選びは眼鏡店の一番最初の重要な仕事です。お顔に対してフレームが小さいか大きいかではなく、私達はレンズ玉型内の瞳の位置を見ています。特に下図の赤文字で示した中等中等度以上の度数になって来ると、フレームのサイズがレンズの肉厚に大きく影響します。

弱度 ±3.00D未満
中等度 ±3.00D~±6.00D未満
強度 ±6.00D~±10.00D未満
最強度 ±10.00D以上
 
薄く仕上げるコツ
 
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(例)強度の近視を薄く仕上げるコツは、光学中心から離れた所はカットする。近視の凹レンズは中心から離れる程に厚くなるので、なるべく薄い部分だけを使うようにするには極端に横長のフレームは避ける事です。
 
御客様の眼鏡例
 
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実際の御客様の眼鏡です。瞳孔間距離が60.0mm(片眼30.0mm)、レンズの真ん中に瞳が位置すると、左右の距離は同じなりますが、多くの人は瞳から内側(鼻側)よりも外側(耳側)の方が距離が長くなります。この外側(耳側)の距離が長ければ長い程、凹レンズの厚い部分が沢山入ってしまいますので、瞳よりも外側(耳側)の距離が長くならないようなフレーム選びが鍵となります。
 
 
レンズは、-6.00D
 
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度数が強い場合はフレームをかけた時に、出来るだけ枠の中心に瞳が位置するようなサイズのフレームを選ぶ事が大事です。瞳から外側(耳側)の距離が長ければ長い程に、非球面レンズ独特の側方部分のパワーエラーが感じやすくなり、厚みも増すからです。
 
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【完成】フレームのサイズ選びに注意すれば-6.00Dという強度でもこんなに薄く出来上がります。



 

プラスチックレンズの経年劣化

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プラスチックレンズは、色あせ・変色が起こります。素材がプラスチック(樹脂)である以上、どうしてもこの問題は避けられません。無色レンズ・カラーレンズ共に「黄ばみ」が出て透明性も失われてきます。また、レンズのUVカット性能が維持できる目安は5年間です。黄色くなってくる頃にはレンズ自体ももろくなってきていて、欠けたり割れやすくなっている状態ですので新しいレンズに交換しましょう。例え度数が合っていても同じ度数で新しいレンズに交換すると綺麗にはっきり見えるようになります。