中近両用レンズ(Ⅱ) 処方箋の度数とレンズメーターの測定値が一致する中近両用の作り方 【Ⅱ】中間や近方の作業距離を定めた中近両用 距離を定めたレンズにする場合、黒眼の前が検査で決定した中間度数になる事が絶対条件です。【Ⅰ】のようにaboutな設計のおまかせ度数が入る中近両用専用レンズではなく、レンズの上(遠用部)、下(近用部)に検査通りの度数が入る設計になっている遠近両用に用いるレンズを使用します。 ※このタイプのレンズは、定めた中間明視距離の度数が正確に黒眼の前に位置し、老眼の明視距離も中間度数に対しての加入度で「通常の読書距離」で合わせたり、「通常よりも遠く」したり調整が出来ます。 遠用部の度数 近用部の度数 遠用度数は入らず、ここには中間度数が入ります。 「通常の読書距離 / 通常よりも遠く」等が可能。 中間部の度数 遠用部に中間用として入れた度数から、近用の度数に達するまでの度数が入ります。 処方箋の書き方は、遠近両用と同じ度数を記載してはいけません。中間度数と近用度数を記載します。 書き方は下記の処方箋sample(A)のように「遠」の部分を「中」に訂正して、近用の度数は検査通りの度数を書きます。または、処方箋sample(B)のように加入度(ADD)を記載します。 【※加入度(ADD)の注意!】間違えて遠用度数に対しての加入度を書かないように気をつける事。 検査の順番 最初は基本の2つ【遠用の矯正視力】→→【近用の矯正視力】 希望する距離に合った【中間度数】【近用度数】を決める 【中間度数】と【近用度数】を処方箋に書く。または、【中間度数】に対しての【加入度(ADD)】を書く。 レンズメーターの測定値は、処方箋通りの中近両用になります。 (例)右レンズの測定 【1.遠用度数の測定】レンズメーターは、このレンズの一番マイナス寄りの度数を遠用度数と認識します。この部分には中間度数の+2.00Dが入っています。(レンズの上方) 2.【近用度数の測定】レンズを引き下げて行くとレンズメーターは、このレンズの一番プラス寄りの度数を近用度数と認識します。この部分には中間度数に対して加入した近用度数が入っています。(レンズの下方) 3.【測定結果】レンズの上部がsph+2.00Dで、レンズの下部がsph+3.50Dとなった場合、「sph+2.00D ADD+1.50」とプリントアウトされてきます。 結論 レンズメーターの測定結果は、処方箋と同じ数値になります。何処の眼科で見ても同じになります。