年齢に応じた眼鏡の作り方

 5歳 ~ 中学生(幼児・小児) 

第一歩目の「初めての眼鏡」です。処方するタイミングと度数の決定は今後の流れを作る鍵となります。成長期は半年程で大きな眼の変化が生じる事も稀ではありませんから、眼の屈折度数は頻繁に確認する事が重要です。「遠視」と「近視」では全く違う眼なので判定には特に注意しなければいけません。子供の頃に適切な眼鏡をかけないと、大人になってからでは修正が出来ません。

 
 10代・20代・30代(高校生・社会人) 

身体の成長が終わる成人年齢を迎える頃と共に眼の進行も止まります。この時期は度数変化が極めて少ない「安定期」に入ります。御自身の眼はどのような眼なのか、眼鏡がどのような目的で出来上がっているのかを充分理解する時です。難しい眼の人は後々の眼鏡製作がスムーズになるよう、この時期までに眼が順応できる眼鏡を定めておく事が重要です。近くが見にくくなる年齢になると遠方度数も変化し、急に遠用眼鏡を要しても装用が困難になる事があるからです。

 
 40代(中年初期) 

この年代は前期よりも後期に眼の衰えを実感し始める年代です。水晶体の柔軟性が失われてくる年代なので、近視でコンタクトレンズを常用している人や眼鏡を常用している人の度数について眼科医が注意を促す場面が多々あります。遠くに合っている度数では近距離にピントが合わない症状が出始めるからです。裸眼視力の良い眼も今までと違う眼の症状に気付き始める頃です。

 
 50代(中年期) 

老眼初期を超えて中期に入るこの年代は、度数の変化がいちばん激しい年代でもあります。昔とは違って現代の眼を酷使する職業においてはレンズ交換が頻繁に行われます。遠近両用レンズを装用し始める頃でもあります。両用レンズは老眼がまだ弱い時期からスタートするのがコツです。働き盛り年代であるこの頃からは、健康診断とは別に目の3大疾病である「糖尿病網膜症」「緑内障」「白内障」にも気を配る必要があります。

 
 60代(高齢期) 

眼の中のピント調節力が完全に失われてくる年代で、特に強度近視の眼では一般に老眼として使用する凸レンズではなく、凹レンズの老眼鏡を使う事も多くなります。まだ白内障の手術をする人は多くありませんが、定期的な診断が必要です。若い頃から視力が良かった眼にも変化が現れて、遠用眼鏡を要する眼に変わってくる人も多くなります。

 
 70代(高齢期) 

白内障の手術をする人がとても多くなる年代です。白内障の手術を行った後でも、現役で働いている人がまだ多いので眼鏡の作り方にも一工夫が必要です。人工水晶体には「単焦点」と「多焦点」がありますが一般的には単焦点を用いますから、焦点は「遠」か「近」のどちらかに合います。不必要な眼鏡を作っている人を見ますが、御自身の人工水晶体の特性に合った眼鏡を持ちましょう。

 
 80代(高齢期) 

この頃では、殆んどの人の眼に白内障が発症しております。レンズで矯正できる視力にも「良好だったり、またはそうでなかったり」限界が生じます。白内障の手術を敬遠する人もいらっしゃいますから、何とか良好な視力を得られるような眼鏡作りが求められます。