光は本来、同時に到達するものですが、レンズ等の物質を通過した時に、短い波長ほど大きく屈折し、長い波長ほど小さく屈折します。その為、到達点が変わるので滲みを生じます。この滲みの事を色収差と呼びます。色収差の度合いを示す数値が「逆分散率(アッベ数)」です。色収差が大きいもの程、アッベ数は小さくなり、色収差が小さいもの程、アッベ数は大きな数値となります。
★度数が強くて厚くなる程、レンズの屈折率が高くなる程、色収差は起こりやすくなります。強い度数に「低屈折率のレンズを使用」または「高屈折率のレンズを使用」、弱い度数に「高屈折率のレンズを使用」する事です。
度数が弱いのに過度な高屈折率レンズは必要ありませんが、度数が強い人に低屈折率のレンズも使用しません。度数が強い人には低屈折率のレンズは厚くなるから、薄くするには高屈折率が必要です。しかし、色収差の大きいものになってしまう。という矛盾が眼鏡には生じるのです。レンズというのは、「薄ければ薄い程に良いレンズだ!」という事ではないと言う事です。
眼鏡は光の屈折を目的としている為、色収差を全く無くす事は出来ませんが、出来るだけ色収差の少ない素材をレンズに用います。そして過度に度数を強めずに可能な限り度数を下げ、少しでも低屈折率のレンズを使用し、高屈折率のレンズを使用する場合は、口径が大きい程に色収差も大きくなるので、出来るだけレンズ口径が少しでも小さくて済むようなフレームサイズを提案するといった対策が必要なのです。
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