白内障の手術後、近い距離が裸眼で見えるようになった。

70代と80代の女性、白内障の手術前と手術後

 
 

いつも眼鏡が手放せなかった眼が、白内障の手術後は裸眼で過ごせる眼に。

  手術前の視力は、片眼0.02(両眼0.04)の強度近視でした。  

【右眼】sph-8.00D
【左眼】sph-8.00D
近視が-8.00Dあると、裸眼で見えるのは眼前12cmまで。起床してから就寝直前までの眼鏡装用が必須です。裸眼で見える距離が12cmの-8.00Dは、30cmや40cm離して新聞を読むための近用眼鏡も必要です。

 
  手術後の視力は、片眼0.2(両眼0.4)の弱度近視になりました。  

【右眼】sph-2.25D
【左眼】sph-2.25D
近視の強さが以前の3分の1になり、裸眼の視力が以前よりも10倍の0.4になりました。手術前と違う事は、眼鏡をかけなくても室内が見えて、文字に顔を近付けなくても新聞が読める事。裸眼での生活が多くなり、外に出かける時だけ眼鏡を使えば良いのです。

 
■この例は近方合わせと言います。術後、手元と身の周りに裸眼の焦点が合うようになったのです。
子供の頃から近視で、大人になってからも近視が強いためにいつも眼鏡をかけていた人に対して行う事が多く、眼内レンズの度数調整を行って、手術後は手元と身の周りに焦点が合う「弱い近視の眼」に変わるとこのような結果になります。1日の大半を室内で過ごす高齢者にとっては、とても生活がしやすい眼になります。
通常、白内障の手術で使う眼内レンズ(人工水晶体)は【単焦点眼内レンズ】と言い、「遠く」もしくは「近く」にピントが合うレンズです。そのため、白内障の手術後の見え方には次の2通りの合わせ方あります。

(1)老眼鏡だけ使うようにして、遠くは裸眼で見えるように焦点を合わせる【遠方合わせ】
(2)老眼鏡を使わずに裸眼で文字が読めて、その周辺も見やすいように近い距離に焦点を合わせる【近方合わせ】

  このような御相談もどうぞ。  

世間ではすぐ終わる簡単な手術だと言われていますが、不安に思う事があっても、主治医の先生には何かと聞きづらいものです。私(著者)の父親は、平成22年に両眼の白内障の手術をしており、更に平成27年に後発白内障をレーザーで処置する手術も経験しております。疑問に思う事や、御心配されている事などございましたら御相談を承ります。

 
 
医療費控除

白内障手術後に作った眼鏡の費用は、医療費控除の対象になります。治療した翌年の2月16日から3月15日の確定申告時に税務署に提出して下さい。詳しくはこちら
 
 
手術給付金

白内障の手術は、正式名称「水晶体再建術」と言い、保険会社の手術給付金の支払対象となっている事があります。事前に保険会社に確認しましょう。入院をともなわない日帰り手術(外来手術)でも、約款に定める対象となる手術に該当した場合、手術給付金を請求出来ます。レーザーで処置をする後発白内障も同様に手術給付金の対象です。

【左右同日に手術を受けた場合】
1種類の手術として給付金が支払われます。

【左右別日に手術を受けた場合】
左右それぞれに対して給付金が支払われます。