緑内障の1.2.3

緑内障は、眼圧(眼の内圧)が高い事が原因で視神経が圧迫されて壊死(視神経乳頭が圧迫される)、その結果として視野が欠損(見える範囲が狭くなる)していく病気です。この視神経に影響が出る眼圧には個人差があり、正常値とされているよりも高い眼圧だが、その人にとっては問題なく単なる高眼圧。一方で、一般に正常値とされている低い眼圧だが、その人にとっては高すぎて視神経に影響がでる「正常眼圧緑内障」もあります。
 

緑内障の検査とは、

1.「眼底検査」:眼底の視神経乳頭の陥凹を調べます。

2.「眼圧検査」:眼球内の圧力を調べます。

3.「視野検査」:片眼ずつ見える範囲を調べます。



 

1.視神経   乳頭   陥凹(かんおう)拡大

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視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)とは、眼底写真で白い円として写るところです。
 

分割してご説明しますと、

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眼球は、視神経で脳とつながっています。網膜に写った光は、そこにある視細胞という細胞で電気信号に変換されて神経線維を通って脳へと運ばれます。その神経線維が束になった1本の太い電線ケーブルが視神経です。
 
 
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乳頭とは、眼球と視神経の繋ぎ目です。ここには映像を作る機能(網膜)はありません。視野検査では、誰もが持っている絶対暗点「マリオット盲点」として表示されます。
 
 
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「陥凹(かんおう)=へこみ」視神経乳頭の中心にはへこみがあり、ここが視神経や血管の出入り口です。陥凹拡大とは、視神経乳頭の陥凹が大きくなる事です。



 
 

2.眼圧について

眼圧 = 眼の硬さ
空気を吹き付け、その時の角膜のへこみ具合によって眼の硬さを測定します。正常値は20mmHg以下。眼圧は1日の中でも変動します。


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ボールに例えると、ボールは空気で硬さを調節します。眼球は、房水(ぼうすい)という眼の中で循環する液体が一定の圧力を眼内に発生させて眼球の形状を保ちます。この房水(ぼうすい)の循環が悪くなると圧力が上がっていきます。ボールに例えると空気をたくさん詰めすぎた状態です。圧力が上がると視神経乳頭を圧迫し、神経線維を壊死させ、神経線維の数が減る為に視神経乳頭の「陥凹(かんおう)=へこみ」が大きくなります。この症状が、視神経乳頭陥凹(かんおう)拡大です。その結果として、視野が欠損していく病気です。神経線維の数が減る代表的な病気が緑内障です。



 
 

3.視野ついて

「視野」 = 見える範囲
物を見ている時は、視線を合わせている所だけでなく、その周囲も見えています。この範囲を「視野」と言います。


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片眼の視野は、上方に60度、下方に75度、鼻側に60度、耳側に100度という広い視野を持っています。普段私達は、両眼を使って見ている為に片方の眼に見えない部分があっても、もう片方の眼がカバーしてしまう為、視野の異常に気付かない事が多いのです。そして、片方の眼を隠さないと視野に異常があるかどうかわかりません。
 
 

視野検査はどのような検査?


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顔を固定して中心のマークを見つめ、周辺に出現する小さな光が見えたら手に持ったブザーを鳴らす検査で、片眼ずつ行います。