遠視(大人の眼鏡矯正 №2) 

年齢を経てから眼鏡が必要になった遠視(遠視が入ってくる理由)

【加齢性遠視】
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①弱い近視の人は、「正視」になる。
②正視の人は、「遠視」になる。
③遠視の人は、「今より強い遠視」になる。

このように『弱い近視の人・正視の人・遠視の人』は、プラス(凸)側へと眼の屈折状態が変化します。眼に入った光が焦点を結ぶ場所、眼内での焦点位置が現在よりも後ろに変化して、遠視寄りになる事から「遠視化」と呼びます。要因として「眼球内細胞の縮小」「眼軸長の短縮」など、諸説ありますが「水晶体の屈折力が落ちる」事が有力な要因のようです。水晶体の屈折力が落ちる事で光を曲げる力が弱まり、以前よりも眼の奥で焦点が結ばれるようになるからです。中等度の近視や強度の近視の人には、この「遠視化」があまり見られない傾向があります。

 
 
★年齢を経てから遠視を矯正する為の眼鏡を使うようになった人の場合、突然に遠視になったのではなくて2つの理由があります。
 
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【昔、弱い近視だった。老化に伴って遠視へ移行した】
①加齢に伴う生理的変化である加齢性遠視が出現する前は「近視」。

②加齢性遠視の出現と進行は、老眼が進行する45歳 ~ 60歳が最も顕著な時期で、昔は近視だった眼が水晶体の屈折力が弱まって正視に変わって来ます。「最近、眼がとても良く見えるんだよなぁ」と自覚する人も多いです。

③そして正視を通り越して遠視になってしまいます。焦点が網膜の後ろへずれてしまう為に視力も落ちます。この頃は高齢になっている場合が多く、眼の調節力が殆んど失われているのでぼやけてしまいます。

 
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【元々の遠視を調節力で正視に出来たが、もう出来なくなった】
①本来は以前から遠視の眼。御自身の調節力で網膜の後ろにある焦点を網膜上に合わせる事が出来たので正視のように良い視力。

②加齢性遠視の出現で本来の遠視が強まると共に、以前よりも衰えた調節力では網膜の後ろにある焦点を網膜上に合わせる事が出来なくなり、遠くがぼやけます。

③衰えた調節力の分を凸レンズで補います。網膜上に焦点が合うようになるので再び良い視力になります。


調節力は、各年齢で違います。(※調節力表)

調節力


年齢
調節力
10歳
12D
20歳
8D
30歳
7D
40歳
4D
45歳
3D
50歳
2D
55歳
1.5D
60歳
1D
70歳
0.5D
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【近距離の文字を何不自由なく読むには、水晶体を4D以上厚くする力が必要】

眼球全体の屈折力(60D)
3分の2は、角膜(40D)
3分の1は、水晶体(20D)

調節力(水晶体を厚くする力)は年齢が若い程に豊富で、歳をとるに連れて弱まるので調節力と老眼の関係も密接なのです。
眼にはレンズの役目を果たす角膜と水晶体があって、「角膜(40D)」「水晶体(20D)」という度数(D)を持っていますが、近距離を見る場合はもっと強い屈折力を必要とします。屈折力を増加させる事を(調節)と言い、調節は水晶体が担います。近距離にピント合わせをする為に水晶体が厚くなって(D ディオプター)を増加させるのです。年齢が若い程、水晶体を厚く(D ディオプター増加)させる事が可能です。

 
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【老眼の原理と矯正方法】

(Ⅰ)※調節力表の緑色で表した45歳からは、調節力が4Dを下回ります。4D以下の調節力になると「近点」が33cmよりも遠くなって手元の見づらさを感じます。近点が33cmよりも遠くなるというのは、33cmより近付けるとぼやけて読みにくく、33cmよりも離すとはっきり読めるという事です。これが老眼の原理です。近点とは【文字をはっきり見る事が出来る距離 / 位置】です。年齢が若い程、眼に文字を近付けても調節力の働きによって問題なく読めますが、歳をとるに連れて眼から遠ざけないとはっきり読めなくなります。

(Ⅱ)45歳ではまだ3Dの調節力がありますから、そこそこ小さい文字も見えるのですが、とても近い距離では読みにくい状態となっています。45歳の調節力は3Dなので4Dにはあと1D足りませんから、1Dの凸レンズを装用すれば合計4Dの調節力になって不便なく近距離で文字が読めるようになります。

60歳では調節力が1Dです。45歳の3分の1まで減退している為に通常の読書距離では文字がぼやけて読めません。4Dにはあと3D足りませんから、3Dの凸レンズを装用すれば合計4Dの調節力になって不便なく近距離で文字が読めるようになります。この1Dや3Dのように、加齢で弱くなってしまった調節力の分を補足するのが老眼の矯正方法です。