ZEISS MyoKids lens (ツァイス マイオキッズ レンズ)

「強い眼鏡・弱い眼鏡」それぞれ眼の中で起こること

【裸眼の遠方視と近方視】
 
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近視の裸眼は、遠くは見えませんが手元は見えます。この理由は、眼に入った光が遠くを見る時は網膜よりも前で焦点が結ばれているので遠方はぼやけますが、手元を見る時は網膜に近い位置で焦点が結ばれるので鮮明に見えます。
 
 
【視力を良好に合わせた眼鏡での、遠方視と近方視】
 
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(Ⅰ)裸眼のままでは生活が出来ませんので眼鏡をかけますが、眼鏡を1.2や1.5が見えるように視力を強く合わせてあると、眼の中は矯正レンズを用いずに網膜に焦点が合っている正視眼と同じように網膜上に焦点が合います。

(Ⅱ)その眼鏡をかけた状態で近距離を見ると、網膜の後ろへ焦点がずれてしまうのです。そのままではぼやけてしまうので、眼の中では毛様体筋(調節筋)が水晶体を厚くさせて光の屈折を強め、網膜の後ろにある焦点を網膜上に合わせる【調節】という働きを起こします。そうやって視力を1.2や1.5に合わせた眼鏡のままでも近くが見えているのです。

 
 
【視力を良好に合わせていない眼鏡での、遠方視と近方視】
 
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逆に、眼鏡が0.6や0.7などの低矯正になっている場合、遠くがあまり見えないから不便ですが、近くを見ている時に焦点が網膜の後ろへほとんどずれないので、【調節】という働きを最小限に抑える事が出来るのです。眼の中の筋肉を使って水晶体を厚くする作用を抑えた状態で近くが見えるから、とてもソフトな見え方となって長い時間近くを見ていても眼が疲れにくいという利点が弱い眼鏡にはあるので、昔から「眼鏡は弱めに!」と言うのがこの理由に当てはまります。


近視が進行する要因だと考えられている「調節ラグ」

学童期において、多焦点眼鏡(レンズの上部・下部で度数が異なる)は、通常の単焦点眼鏡(レンズ一面が同度数)に比べて、近視進行抑制効果と眼軸長伸長抑制効果があるという報告があります。子供の近視の進行を左右する要素は、遠くが良く見える眼鏡で近距離を見ている時に起こる【調節】で、網膜の後ろへずれた焦点を全部網膜上に合わせきれていない【調節不足(調節ラグ)】が要因だと考えられています。 調節不足(調節ラグ)が、近視の進行の原因である眼軸長を伸長させる引き金になるとの考えのもと、近くを見る時には遠くを見る度数とは異なる度数を使う事が有用と考えられました。理由は以下の通りです。
 
 
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調節を行った際に、中心は網膜に焦点が合っているが周辺部は網膜よりも後方に焦点がズレている事がある。
 
 
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網膜周辺部の焦点ズレを補正しようとする働きによって眼軸(がんじく)が伸びようとする。※眼の奥行きが長くなる
 
 
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眼軸が伸びると、当初よりも網膜の手前で焦点が結ばれる為、結果的に近視が進むことになる。


近視の進行抑制効果がある多焦点レンズ「Myokids lens(マイオキッズ レンズ)」

 
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遠方視力を良好に合わせてある単焦点レンズでは、近距離を見た時にピントが網膜の後ろへずれてしまうので【調節】を必要とします。調節が起こらないようにするには、遠方視力を弱くする以外の方法はありません。
 
 
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多焦点レンズになっています。遠方視の目線が通るポイントは良好な視力の度数で合わせる事が出来ます。近方視の目線が通るポイントは弱い度数に変わりますので、網膜にピントが合って調節が起こりにくい状態となります。
 
 
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画像のようにレンズの上下で度数が異なる設計です。上部に遠くが良く見える度数。下部に近くが見やすい弱い度数が入ります。マイオキッズレンズは、遠くが見えるという「強い眼鏡の利点」と、毛様体筋(調節筋)の働きによる「調節」を抑えて近くを見ていられる「弱い眼鏡の利点」とを組み合わせたレンズです。


マイオキッズレンズが処方出来る近隣開業医。このレンズは眼科医の判断で処方します。

王子眼科クリニック
■北区王子本町1-18-4 ヴィーヴル1,2階
■TEL 03-5913-7013
http://www.ojieye.com/
 


とみた眼科
■北区西ヶ原1-50-1 メディウェルタウン駒込2F
■TEL 03-5961-3400
http://www.tomita-eye.jp/
 


当店では子供の眼鏡レンズに、ブルーライトカット加工はいたしません。

2021年5月10日のサンケイスポーツ新聞で、【ブルーライトカット眼鏡は、発育に有害】であると眼科学会などが指摘している記事を掲載しました。当店では基本的にこういう記事が出る以前から、子供が使う眼鏡レンズは昔からある「高屈折球面設計UVマルチコートレンズ」を基準とし、近視が強まってレンズの厚みが気になる場合には「超高屈折非球面設計UVマルチコートレンズ」を使用しています。やたらにオプションの追加は行っておりません。
 
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【小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見】※眼科学会PDF文章より抜粋
 
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