水晶体の中心から白濁してくる例(核白内障)

■白内障の手術前と手術後の眼鏡作成にリンク


【80代女性】 加齢性白内障 「白内障で視力が低下してきた眼」遠近両用レンズではなく、単焦点レンズを推奨

 
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【水晶体の濁り方】

■水晶体の中心部(核)から濁る白内障を「核白内障」と言い、眼の度数は「負」の方向へシフト。矯正度数のマイナス(凹)が増加します。近視の人ならば近視の増加、遠視の人ならば遠視の減退という検眼結果になる特徴があります。

■水晶体の周辺から濁る白内障を「皮質白内障」と言い、眼の度数は「正」の方向へシフト、矯正度数のプラス(凸)が増えます。近視の人ならば近視の減退、遠視の人ならば遠視の増加という検眼結果になる特徴があります。

 
 
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【他覚的屈折検査と自覚的屈折検査による特徴】
■他覚的屈折検査とは、眼科や眼鏡店にある機械で測定した数値のことです。遠視や近視や乱視の測定値と、その確率(信頼度)も表示されます。白内障がある眼を測定したので確率が「5」、かなり信頼度の低いデータと言えるでしょう。

■自覚的屈折検査とは、検眼レンズと視力表を用いて人の手で行う検査のことです。自覚的屈折検査では、他覚的屈折検査よりも(S)=遠視、(C)=乱視 が少なくなっています。このように機械での測定値と手作業での測定値に差が出るのも白内障の眼の特徴です。

 
 
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レンズ中の各部で「遠」「中」「近」の度数に変化する遠近両用レンズは、目線がずれると度数も変わります。良好な視力がある眼にはとても便利ですが、視力が低下している眼にとっては見やすいレンズとは言えないのです。
 
 
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単焦点レンズは、上の方や下の方で見ても同じように見えますので水晶体の濁りが弱い箇所からは鮮明に見えるのです。
 
 
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作成眼鏡
矯正視力は両眼で0.8

【右眼】sph+1.50D cyl-1.50D Ax 110°

【左眼】sph+1.50D cyl-1.50D Ax 85°



 
 


【70代女性】 加齢性白内障「術前の眼鏡」白内障によって遠視の度数が減ってくる

 
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【眼の度数が「負」の方へシフトする例】

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【以前の度数との比較】

【右】sph+3.50D 
【左】sph+4.00D cyl-0.50D Ax40° 

今回の度数
【右】sph+3.50D cyl-1.50D  Ax 110° 
【左】sph+3.00D cyl-0.50D Ax  80° 

皮質白内障の特徴は、【度数が「正」の方向へシフト】プラス(凸)が増えます。近視の人ならば近視の減退、遠視の人ならば遠視の増加という特徴があります。

対して、水晶体の中心部(核)から白濁してくる核白内障については、凸レンズの作用をする水晶体の中心に芯のようにもう一つ凸レンズができる形となり、水晶体自体の屈折力の増加をもたらし、眼に入った光が今までよりも強く屈折されて網膜よりも手前で焦点が結ばれるようになる為、【眼の度数は「負」の方向へシフト】マイナス(凹)が増えます。近視の人ならば近視の増加、近視性乱視の介入、遠視の人ならば遠視の減退というマイナス度数が入って来る形の検眼結果になります。こちらのお客様も核白内障の特徴である近視性乱視の介入、遠視の減退が見られます。

1.水晶体の周辺から濁る「皮質白内障
2.水晶体の中心部から濁る「核白内障
3.ステロイド投与等により水晶体の後ろ側が濁る「後嚢下白内障
 
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作成眼鏡

【右】sph+3.50D cyl-1.50D  Ax 110° 

【左】sph+3.50D cyl-0.50D Ax  80°