【90代女性】白内障手術後の眼鏡「無水晶体眼用レンズ」

■白内障の手術前と手術後の眼鏡作成にリンク


【90代女性】白内障手術後の眼鏡「無水晶体眼用レンズ」

 
【昔と現代の手術方法】
 
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【1.眼内レンズ挿入眼】
現代の一般的な白内障の手術方法で、人工水晶体(眼内レンズ)を挿入した状態です。眼内レンズは水晶体同様、強度の凸度数です。眼の中に納まるので小さいです。

【2.無水晶体眼】
昔の術式や、何らかの理由により人工水晶体を入れていない眼は、眼鏡レンズまたは、コンタクトレンズが水晶体の役目を果たさなくてはなりません。眼球の屈折系をなすものは角膜と水晶体であり、眼球全体で約60Dの屈折力がありますが、そのうち最も屈折力のある組織は角膜の40D(全体の2/3)で、水晶体の屈折力は20Dです。無水晶体眼であるということは、本来水晶体がもっている20Dに相当する眼鏡レンズ、またはコンタクトレンズで矯正する必要があります。

30年以上前は、今のような人工水晶体(眼内レンズ)は普及しておらず、白内障の手術と言えば水晶体の全摘出で、その後の眼鏡矯正は強い凸レンズの眼鏡でした。無水晶体眼用のレンズを使っている人の特徴として、度数の変化が極めて少なく安定し、多年数を同じ度数で過ごしている人が多い事。度数の変化よりもレンズ自体の寿命が先に来る事が一般的で、同じ度数で交換しています。

 
 
【無水晶体眼用レンズの矯正方法】
 
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本来の水晶体は眼の中にあるもので、その度数は+20.00Dです。本来の位置から遠ざかるところにレンズを置く場合、つまり水晶体の代わりとして眼鏡レンズを装用する場合、その度数は角膜の頂点からレンズまでの距離「角膜頂点間距離」が影響して、水晶体本来の度数とは異なります。無水晶体眼用の眼鏡レンズは+12D前後になります。眼から矯正レンズを遠ざけると(角膜頂点間距離を大きくすると)眼に与える拡大の力はより大きくなるので、その凸度数は小さくて済むのです。

※皆様が目にしている通常の視力補正用眼鏡レンズとは異なり、内径(ないけい)と言われる盛り上がっている部分だけに正確な度数が付いており、薄い端の方は度数が殆んどありません。

 
 
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作成眼鏡
【右眼】sph+10.50D cyl-0.50D Ax90°

【左眼】sph+11.00D cyl-1.00D Ax90°