【50代半ば女性の例】老眼年齢になってからの眼鏡合わせ

■老眼年齢になってからの眼鏡合わせ(Middle-age-group)にリンク

老眼鏡は、こうして出来上がる。

老眼が始まって10年間に属する「50代の老眼症状」がいちばん大きく変動します。数年前までは大した症状ではなかった人も急に眼が見づらくなったり、普段の見え方を眼の調節力に頼っていた人は調節力が弱まって裸眼の見え方も悪くなり始める年代です。「現在の御自身の眼に合った対処、今後の変化」を出来るだけ早く把握しておく必要があります。眼科で受ける検査内容と同じ説明を致しますので、是非いらして下さい。


遠用眼鏡・近用眼鏡・遠近両用眼鏡・中近両用眼鏡、このように様々な用途に分けた作り方がありますが、いかなる眼鏡を作る際も必ず「遠用度数の矯正」を最初に行います。近用だけの検査、中近だけの検査というものはありません。遠用度数が全ての眼鏡を作る土台になるからです。そしてこの土台に狂いが生じると『中間』『近方』の度数にも狂いが生じます。
今回の御客様の場合

【遠方矯正値】
sph-0.50D cyl-0.75D Ax140°
sph-0.50D cyl-0.75D Ax  90°

近用眼鏡(老眼鏡)を作る御客様ですが、最初に遠用矯正度数を出します。遠くの眼鏡を作るの?と勘違いされる人も居ますが、そうではなく近用眼鏡(老眼鏡)を作る為に必要な検査です。

sph-0.50D」これは近視の度数で、「cyl-0.75D」これは乱視の度数。「Ax・・°」これは乱視の軸度。乱視の度数と乱視の軸度は近用眼鏡(老眼鏡)にも引継ぎますが、近視の度数には近くを見る為に必要である年齢に応じた『ピント合わせ不足分の凸度数(加入度)』を加算し、近用眼鏡の度数を完成させます。

 
 
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50代半ばですので、【遠方矯正値】のsph-0.50Dに『年齢に応じたピント合わせ不足分の凸度数(加入度)』+2.50Dを加えると、老眼鏡になります。
【右】sph+2.00D cyl-0.75D Ax140°
【左】sph+2.00D cyl-0.75D Ax90°
 
 
 
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遠くが良く見える視力の良い人は、40代から近点が遠のきます。文字を離して見た方がピントが合うようになります。初めは少々近点が遠のいただけなので、さほど不自由を感じませんが、近くにピント合わせをする役割である眼の中の水晶体は、年々柔軟性が失われてくる為、硬くなって厚みを変えずらくなっていきます。その為に手元で小さな文字が読める距離(近点)が遠くへ移ってしまうので、レンズを用いて近点を手元に戻します。このレンズは年齢が上がるのと相まって強い度のレンズを要します。

老眼鏡を使い始めた人、現在使っている人も、眼の中の水晶体は年々硬くなってきて、厚さを厚くする事が以前より出来なくなってくるので、作った眼鏡が同じ距離ではっきり見えているのは平均で3年です。

(老眼)の進行は毎年+0.25D、3年~4年経過すると+0.75D~1.00D不足するので、現在使っている老眼鏡の明視距離も遠のいてしまいますので、当初のように手元ではっきり見えるように度数を強めます。

 
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作成眼鏡
【右眼】sph+2.00D cyl-0.75D Ax140°
【左眼】sph+2.00D cyl-0.75D Ax  90°