遠近両用レンズというのは、老眼が強くなると視野が狭くなるという特徴があります。ルーペでも同じ事が起こります。高倍率のレンズになるとだんだん端の方が見づらくなってきます。目安として、+2.50Dの加入度が必要な年齢(50代半ば)から、特に近用部の視野の広さに違いが現れます。老眼の初期は安価なレンズでも見える範囲が広い・狭いは感じませんが、老眼の中期からはレンズの設計が大きく影響します。出来るだけ見える領域(明視域)が広く設計されたレンズの御使用をおすすめします。
※加入度とは、年齢が上がるに連れて失われてしまった水晶体を厚くする力(調節力)です。簡単に言うと「老眼の度数」です。
年齢別加入度(Addition) |
40歳~45歳 |
+1.00~+1.50 |
45歳~50歳 |
+1.50~+2.00 |
50歳~55歳 |
+2.00~+2.50 |
55歳~60歳 |
+2.50~+3.00 |
60歳以上 |
+3.00~ |
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■ +1.50 ⇒ +2.00 ⇒ +2.50というように、年齢に応じて老眼の度数が強まっていくと、見える範囲も狭くなっていきます。(※特に、遠方も近方も凸レンズを使用する遠視の眼は顕著に現れます。)
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【見える領域(明視域)が広く設計されたレンズとは】 |
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遠近両用レンズ(累進多焦点レンズ)というのは、レンズ両端の斜め下方向に歪む部分が出来てしまいます。ここの歪み部分をいかに減らすかで「遠中近」全体の見え方に違いが出ます。遠近両用レンズは、グレードが高いほど具合が良いです。若い人が使っているレンズよりも、いつも眼鏡をかけていて現役で働いている年配の人が使っているレンズの方が良いレンズである事が多いです。
遠近両用レンズには、「遠・中・近がバランスのとれた設計」「遠方重視の設計」「中間・近方重視の設計」などというものがありますが、私どもでは基本的に「遠・中・近がバランスのとれた設計」のレンズを販売しますので、それに基づく説明になります。
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■table
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スタンダード |
ハイグレード |
遠 方 |
普通 |
広い |
中 間 |
せまい |
広い |
近 方 |
せまい |
広い |
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スタンダードタイプとハイグレードタイプを比較すると、「遠中近」のいずれもハイグレードタイプは端の方までぼやけないで広い視野の設計になっています。
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