遠近両用(二重焦点)レンズ

 
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昔からある二重焦点(バイフォーカル)レンズ
現在の主流である境い目がない累進多焦点(遠近両用)レンズのように、目線が通る位置で度数が変化するタイプではありません。バイフォーカルレンズは、遠用単焦点の中に近用単焦点を組み込んだ形になっています。小玉と言われる老眼部分以外は全て遠用度数です。昔からあるレンズですので、このタイプを長年使い続けている年配の御客様もまだまだ多いのです。近年では、バイフォーカルレンズを取り扱っていない眼鏡店もありますし、バイフォーカルレンズを見たこともない店員さんもいるくらいです。

基本的なタイプは3つ。その中で老眼部(小玉)が25mm幅と、28mm幅を使う人が殆んどで、45mm幅のワイド小玉は、絵を描く人が好んで使います。


プラスチックレンズと、ガラスレンズがある

 
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【プラスチックレンズ】

プラスチック製のバイフォーカルレンズは、遠用レンズに小玉(老眼)を貼り付けてあります。指でなぞると段差があって境目も目立ちますが、軽いのでこのタイプを好んで使う人の方が多いです。カラー染色も薄い濃いに関係なく出来ます。
 
 
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【ガラスレンズ】

ガラス製のバイフォーカルレンズです。ガラスレンズのバイフォーカルは、遠用レンズの中に小玉(老眼)を埋め込んであります。指でなぞると段差がありません。境目も目立ちません。良質なプラスチックが出来る前から眼鏡をかけている人にはガラス製を好む人が多いです。重さよりもキズに強くて透明度が良いからです。ガラスレンズのカラー染色はプラスチックとは異なり、ブラウン15%、25%の全面カラーのみです。
 
二重焦点(バイフォーカル)レンズの利点
 
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「遠」と「近」だけのシンプルな構造で、老眼に変わる境い目が自分で分かるので、つまずいたりせず安全性が高い。境い目のない遠近両用レンズのように階段の昇り降りが危ない等はありません。


累進多焦点と二重焦点の違い

この処方箋を基に、累進多焦点レンズと二重焦点レンズを作って比較すると、レンズの中はそれぞれの特徴があります。
 
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現在の主流である境い目がない遠近両用レンズ(累進多焦点)
 
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±0.00から+2.00Dに到達するまでの度数が入っている。
マルチフォーカルと言われるように「遠く」と「近く」の他、台所作業などの中間距離にもピント合うのが特徴です。老眼視野の広さは二重焦点レンズに劣りますが、このレンズを使い慣れた人は二重焦点レンズは使いにくいでしょう。
二重焦点レンズ
 
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±0.00と+2.00の度数しか入っていない。
バイフォーカルと言われるように「遠く」と「近く」だけが一緒になったレンズなので、累進多焦点のような中間の度数はありません。目線を小玉の中に向けるといっきに老眼の度数に変わります。累進多焦点レンズを使っていた人は二重焦点レンズを使う事は難しいでしょう。