ガラス単焦点レンズ(ニコン・エシロール社製)

P2CC / PHP-2

屈折率「1.60 / 1.80」球面設計
 
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 ガラスレンズとは 

ガラスレンズは、透過性に優れており視界がクリアで、熱・傷に強く耐久性に優れているため長持ちします。また、プラスチックレンズに比べて経年劣化が非常に遅いのが特徴です。特に、高温やホコリの多い所で働く方やメガネをかけてサウナに入る人はガラスレンズが適しています。プラスチックレンズはフレームからの圧力によって変形・ひずみが発生する場合がありますが、ガラスレンズは非常に硬く、変形することがないため、ひずみが発生する事がほとんどありません。

 ガラスレンズが熱に強い理由 

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ガラスレンズは「無機質」であるため、化学変化や経年劣化が非常に起こりにくく、プラスチックレンズは、「有機質基材」と「無機質コート」であるため、有機質の基材が高温によっての膨張に無機質の反射防止コートが耐え切れずヒビ割れを起こします。
 
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光学機器ではガラスレンズの持つ高い光学性能(膨張しない・高い透明度・傷に強い)は圧倒的で、光学機器市場ではプラスチックレンズは殆んど使われずガラス素材の独壇場です。

 紫外線カットについて 

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ガラスレンズそのものが紫外線をカットする性質を持っています。普通の透明のガラスでも人体に害の大きい波長域(UV-B)は透過しません。しかし、「UV-A」「UV-B」の両方をカット出来るUVカットプラスチックレンズほどではありません。UVプラスチックレンズにおいて紫外線カット率は、ほぼ100%と言われています。

 カラーオプション 

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カラーレンズにして、紫外線カット率を高める事が出来ます。10%と15%のブラウン全面カラーのみです。ガラスレンズはプラスチックレンズのような多種カラー染色は出来ません。

※自動車・電車・バス等にはUVカットガラスがよく使われています。UVカットガラスは紫外線を吸収するのでガラスを透過した光には、ほぼ有害な紫外線は含まれていません。特別なガラスでなくても身近なガラスには、ある程度の紫外線をカットする性質があります。茶色や緑色のビンなどがそうです。色の付いたビンは紫外線吸収率が高く、お薬や栄養ドリンクのビンが茶色かったり、お酒のビンに緑色や茶色が多かったりするのは、紫外線から内容物を守るためでもあるのです。

タイプ
単焦点レンズ
設計
球面設計
素材
ガラス
屈折率
nikonポインタールⅡ 1.605
ポインタールハイパワーⅡ 1.807
アッベ数
ポインタールⅡ 41.2
ポインタールハイパワーⅡ 34.4
透過率
99%
UVカット
受注不可
コーティング
クリアコート(反射防止)
オプション
ブラウン10% / 15%



 

レンズの3大要素「屈折率」「逆分散率」「比重」

 

◆屈折率
プラスチックレンズとガラスレンズを含め、1.60、1.67、1.70、1.76、1.80、1.90というように数値別に分けて販売されます。「薄くなるレンズ = 屈折率が高い」と言う考え方で問題ありません。
 
◆逆分散率(アッベ数)
 
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光は本来、同時に到達するものですが、レンズ等の物質を通過した時に、短い波長ほど大きく屈折し、長い波長ほど小さく屈折します。その為、到達点が変わるので滲みを生じます。この滲みの事を色収差と呼びます。色収差の度合いを示す数値が「逆分散率(アッベ数)」です。色収差が大きいもの程、アッベ数は小さくなり、色収差が小さいもの程、アッベ数は大きな数値となります。

★度数が強くて厚くなる程、レンズの屈折率が高くなる程、色収差は起こりやすくなります。強い度数に「低屈折率のレンズを使用」または「高屈折率のレンズを使用」、弱い度数に「高屈折率のレンズを使用」する事です。

度数が弱いのに過度な高屈折率レンズは必要ありませんが、度数が強い人に低屈折率のレンズも使用しません。度数が強い人には低屈折率のレンズは厚くなるから、薄くするには高屈折率が必要です。しかし、色収差の大きいものになってしまう。という矛盾が眼鏡には生じるのです。レンズというのは、「薄ければ薄い程に良いレンズだ!」という事ではないと言う事です。

眼鏡は光の屈折を目的としている為、色収差を全く無くす事は出来ませんが、出来るだけ色収差の少ない素材をレンズに用います。そして過度に度数を強めずに可能な限り度数を下げ、少しでも低屈折率のレンズを使用し、高屈折率のレンズを使用する場合は、口径が大きい程に色収差も大きくなるので、出来るだけレンズ口径が少しでも小さくて済むようなフレームサイズを提案するといった対策が必要なのです。

 
◆比重
「プラスチックレンズ = 軽い」プラスチックレンズの屈折率は、1.60、1.67、1.70、1.76が主流です。屈折率が高い程に薄くなります。ただし、僅か数グラムですがいちばん薄くなるレンズは、その下のグレードのレンズよりも重くなります。1.76は1.70よりも薄くなりますが重くなります。これは同じ形状同士で比較した場合ですので、大きいフレームで1.70のレンズを使い、小さなフレームで1.76のレンズを使った場合では、1.76のレンズの方が軽いですから、プラスチックレンズの比重についてはさほど気にする必要はありません。

「ガラスレンズ = 重い」1.60、1.80、1.90という屈折率がガラスレンズです。重くて割れやすいと言われるガラスレンズは敬遠されがちですが、年数を経ても形状が変形しない為に光学的に優れます。特に1.60のタイプは0.00D ~-3.00D辺りまでならばとても軽く、ガラスだと思えない程です。同じ度数でもガラスレンズはプラスチックレンズよりも薄く仕上りますから、色収差も小さくなります。強度近視の人に使う1.80、1.90の高屈折率レンズは薄く仕上りますが重いです。ただし、同じ度数で高屈折率のプラスチックレンズを使った場合、軽いですがガラスより厚くなりますから色収差が大きくなります。