「Q」 遠視性不同視の人は何故、眼鏡をかけないで居られるのか?(かけない理由が近視とは異なります。) |
「A1」 子供の頃に眼科で眼鏡処方を受けて眼鏡を使っていたが、裸眼視力が良くなったから眼鏡をかけるのをやめた。
「A2」 検査すると眼鏡装用が必要な遠視が検出されるが、片眼の視力が良好なので裸眼で過ごしている。眼鏡をかけた事はない。
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「A1」の人 の場合
子供の頃に強い遠視があると眼の発育が阻害され、良い視力が出ない眼になってしまうので、そうならないように眼鏡で網膜に鮮明な像を映して、視覚機能の向上を図ります。視力が出れば眼鏡をかけなくても眼の機能は正常に働いていますから、眼鏡をやめても問題ありません。
「A2」の人 の場合
視力検査は片眼ずつ行うので視力が悪い方の眼が目立ちます。しかし、日常は両眼で過ごしていますから片眼の悪さは打ち消されてしまうものです。
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遠視と近視の眼球
遠くを見た状態で外から眼に入った光が、眼の奥行きが長い近視は網膜よりも前でピント(焦点)が結ばれ、眼の奥行きが短い遠視は網膜の後ろでピント(焦点)が結ばれます。
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遠視の不同視と近視の不同視では決定的に違う点があります。遠視の眼は、近視の眼のように「近く」を見る事に適してはおらず、眼精疲労を起こしやすい仕組みになっているのです。眼の中は下の画像のような状態になります。 |
遠方視力が良い右眼の場合
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仮に右眼の裸眼視力が1.0あり、矯正された度数が(1.2×sph+1.00D cyl-0.75D Ax180°)の遠視性乱視であったなら。
遠視眼は、そもそも網膜の後ろでピント(焦点)が結ばれている状態です。そのまま近くを見るとぼやけてしまうので、はっきりと見るには、網膜の後ろにあるピント(焦点)を網膜上に戻す為の調節という作用を必要とします。右眼はいつもこの状態にあります。 |
遠方視力が悪い左眼の場合
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仮に左眼の裸眼視力は0.3で、矯正された度数が右眼よりも強い(1.2×sph+3.00D cyl-0.75D Ax180°)の遠視性乱視であったなら。
遠視が強いと右眼と同じ分の水晶体を厚くする調節量では網膜にピント(焦点)を合わせる事は出来ず、さらに水晶体を厚くて網膜上にピント(焦点)を合わせます。
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近くを見る時の両眼
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近くを見るにあたって調節を必要としない眼の「近視性不同視」とは違って、遠視性不同視は両眼共に調節が必要で、水晶体を厚くし続けなければならない眼なので、「眼の疲労を起こしやすい眼」だという事が言えます。 |
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作成眼鏡(近距離用)
【右眼】sph+1.00D cyl-0.75D Ax180°
【左眼】sph+2.00D cyl-0.75D Ax180°
※大人の場合は左右の差を1.00Dに縮めた方が使いやすいので、差を調整してあります。
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近距離は、眼鏡が最も有効
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近くを見る時に長時間に渡って調節を要する遠視の眼には眼鏡が有効です。凸レンズが光の屈折を強めて、水晶体を厚くしなくても網膜にピント(焦点)を結ぶので調節が起こりません。眼の疲労というのは近距離を見続ける事が原因で起こり、その原因となるのが「調節力を使い続ける」事です。凸レンズ(眼鏡)によって調節力を使わないで見る事が出来るのです。この時の度数は遠方視力矯正の度数で構いません。(若い人は老眼ではありませんので)
本来なら日常用としてかけなければならない度数ですが、普段から眼鏡装用をしていない人が年齢を経てから左右の差がある眼鏡に順応する事は出来ません。ですが、近距離だけなら装用出来ますので眼の疲労は近距離を見続ける事が原因なので近距離用として使う事は効果的です。
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