過矯正眼鏡の人に処方(近視)

過矯正の眼球内

眼疾患が影響していないという条件で、自然な近視や遠視の老化現象というのは、屈折度数がプラス方向へ動きます。近視なら、-5.00D ⇒-4.75D ⇒-4.50Dというように、遠視なら+2.50D ⇒+2.75D ⇒+3.00Dというように。これは年々増える老眼加入度数がプラス(凸)のためで、遠用度数との足し算による結果です。「老眼が進んだら遠用度数も変わる」または「遠用度数が変わったら老眼も変わる」こう考えていなければなりません。
(例)60歳 加入度数+2.50の眼球内

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●20年前、-5.00Dの屈折度数に対して-5.00Dの眼鏡度数
●20年後、-2.50Dの屈折度数に対して-5.00Dの眼鏡度数

20年前と20年後では眼の度数が弱く(プラス凸の方向に)変わっており、眼鏡レンズが現在の眼よりも強過ぎる(マイナス(凹)方向の度数)状態なので、光が網膜の後ろに焦点を結んでしまい、視力が下がってしまう「過矯正」という状態です。

Red & Green テストの見え方

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20年前

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レンズの度数が眼の度数よりも強くなければ、「赤が緑よりも鮮明」もしくは「赤と緑の明るさは同等」。中の二重丸の見え方も「赤の方が緑よりもはっきり」もしくは「赤と緑は同等」になります。
20年後

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眼の度数よりもレンズの度数が強い場合、「緑が赤よりも鮮明」となり、中の二重丸の見え方も「緑の方が赤よりもはっきり」になります。
 

長い期間、過矯正の眼鏡を使っていた人への処方

「眼鏡が過矯正になってしまう」という事は、
「良く見える眼鏡を使って来た人である。」という事が言えます。弱め弱めの合わせをしていなかったという事。
近視が減退したのならば、現在の裸眼で手元がちょうど見える眼になっている可能性が高い事。近距離視力検査も兼ねれば現在の眼の使い方が把握できます。
ここが処方をするにあたっての着目点です。以下の大まかな近視の分類別の特徴も把握しておくと良いでしょう。

過矯正になってしまう人
「弱度の近視がなくなる」 もう、眼鏡を使わなくなるから不調は起きない
「中等度近視から弱度近視に変わる」 裸眼で室内や手元が見えてきてるから、昔のように終日の眼鏡装用ではない。うっかり過矯正の眼鏡を使っている。
「強度近視が弱まる」 生活スタイルは、常に終日の眼鏡装用のままです。強度の人は昔から度数に敏感なので過矯正になってしまう事はまずないでしょう。
 
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良く見える眼鏡を使って来た人におこなう処方は、弱くせずに現在の屈折度数を入れてあげた方が今までの眼鏡の使い方にフィットします。現在の裸眼で近くが見えるのなら眼鏡を外せばいいので、1.2等の視力に合わせて問題ありません。