中間距離に合わせるための「マイナスの加入度」

70代男性の「楽譜に合わせた中間距離用」

■中間距離を合わせるにあたり、近用眼鏡のピントが合う位置を遠くするのですが、前提として「遠用完全矯正値」「近用完全矯正値」に狂いがない事。この2つが絶対条件となります。

中間距離用を作る場合、メインとなるのは【50cm用】と【70cm用】です。
【50cm用】は、老眼鏡だとピントの合う位置が近過ぎてパソコンの画面がぼやける場合です。
【70cm用】は、楽器演奏の際、楽譜に合わせた眼鏡が欲しいという人が多いです。この場合、皆さん手元の方はさほど重要視しません。
※眼鏡の基本ですが、1.0前後の遠用矯正視力が確保出来れば、良く見える近用度数も得られますから、中間距離も良く見える眼鏡が出来ます。しかし良好な遠用矯正視力が得られないと、どんな眼鏡を作っても良く見る眼鏡にはなりません。


遠用の完全矯正度数の測定
ポイント!
遠用の検査で測定した乱視は、そのまま近用にも中間用にも引継ぎます。

<遠用の矯正>
【右眼】sph+2.00D cyl-1.25D Ax100° 
【左眼】sph+3.00D cyl-1.25D Ax  90°

<近用の矯正(検査距離は33cm)>
【右眼】sph+5.00D cyl-1.25D Ax100° 
【左眼】sph+6.00D cyl-1.25D Ax  90°


近用度数にマイナス1.00D加入した場合は、50cm用

 
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-1.00D加入したら

33cmで検査した通常の老眼に-1.00Dを加入すると、最大遠点距離が「50cm」まで伸びます。33cmから50cm間で使える単焦点眼鏡になりますが、33cm寄りは、大きめの文字の方が見やすく、50cm寄りは、小さめの文字が見やすいという特徴です。パソコン用で多く使う方法です。主にデスクトップパソコンを使う人が対象です。※ノートパソコンは近いので通常の老眼鏡で大丈夫です。


近用度数にマイナス1.50D加入して作成します。

 
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-1.50D加入したら

この画像と同じ楽器を趣味で演奏しています。その時に使う眼鏡を作りました。70cmピッタリにはなりませんが、33cmで検査した通常の老眼に-1.50Dを加入すると、最大遠点距離が「67cm(66.6)」まで伸びます。33cmから67cm間で使える単焦点眼鏡になりますが、33cm寄りで文字を読む事は厳しく、67cm寄りにピントが合います。中間用眼鏡の代表的なものです。

近用の矯正(検査距離は33cm)
【右眼】sph+5.00D cyl-1.25D Ax100° 
【左眼】sph+6.00D cyl-1.25D Ax  90°

近用に「-1.50D加入」
【右眼】sph+3.50D cyl-1.25D Ax100° 
【左眼】sph+4.50D cyl-1.25D Ax  90°