大人になっても変わらない強度乱視

h.suzuki

30代前半女性の例

眼鏡装用経験は、5歳から。「強度近視・乱視」

乱視が進行する原因として、一番に考えられるのは「乱視を矯正せずに放置してしまうこと」。気付いた時点で眼鏡等で矯正しないと乱視自体が眼に負担をかけ、その症状を更に悪化させてしまいます。乱視の眼で物を見る時、その焦点のズレから多くの人は眼を酷使してしまいます。常に眼を細めたりする事で眼球を圧迫し、それが乱視の原因となっている角膜をより歪めてしまうのです。そうならないためにも出来るだけ早めに矯正する事が大切です。眼に合った乱視の矯正眼鏡をかける事で乱視が酷くなることもなく、その後の眼鏡矯正もスムーズになるからです。


初めての眼鏡装用から現在までの「乱視」

矯正が必要な乱視を発見した場合、早めに対処しなければなりません。身体の成長過程において度数を変える節目節目で見ても分かるように、乱視(cyl)については、大人になった現在でも小学生の頃とさほど変わりません。近視(sph)の進行については成長に伴うものです。
現在の眼鏡度数
R)sph-8.75D cly-2.75D Ax25°
矯正視力1.0

L)sph-7.75D cyl-3.25D Ax170°
矯正視力1.0

初装用からの眼鏡度数

【初装用】
R)sph-1.50D cyl-1.75D Ax20°
L)sph-0.50D cyl-2.25D Ax170°
【就学時】
R)sph-2.00D cyl-2.00D Ax10°
L)sph-1.00D cyl-2.25D Ax170°
【小学校高学年】
R)sph-5.00D cyl-2.50D Ax20°
L)sph-4.00D cyl-3.00D Ax170°
【中学生】
R)sph-5.75D cyl-2.50D Ax25°
L)sph-4.00D cyl-3.00D Ax170°
【高校生】
R)sph-6.00D cyl-3.00D Ax25°
L)sph-4.25D cyl-3.00D Ax170°


強度眼鏡の作成注意事項

DSC_0040
仮に「10.00D」の度数で装用者の瞳孔間距離が1.0mmずれると、「1プリズム」となってしまいます。これは斜視矯正をおこなう為のプリズムレンズと同じになってしまいますから、加工は特に慎重におこなうべきです。
 
point!

DSC_0040
DSC_0040
度が強い人は、ちょっと眼鏡を動かすだけで見え方が大きく変わってしまうものです。強度乱視も同様に眼鏡をちょっと傾けるだけで見え方が変わってしまいます。フレームを選ぶ際は、「型崩れしにくいもの」を基準とすると良いでしょう。強度レンズの縁厚も隠せるのでセルフレームはおすすめです。

※また、古くなった眼鏡は処分せずに「入浴用」として使うと便利です。新しい眼鏡では熱でコーティング膜が歪むのでやめましょう!


フレームを選ぶ時はデザインだけでなく、以下の事に注意しましょう!

1.鼻幅
DSC_0040
日本人に多い鼻幅は【女性:15.0mm 16.0mm 17.0㎜】【男性:17.0㎜ 18.0mm 19.0mm】です。殆どの人がこのサイズに当てはまります。狭過ぎる鼻幅の枠を使っている人は稀ですが、広すぎる鼻幅の枠を使っている人は沢山います。女性に多いのが特徴です。
 
 
2.セルフレームは、あまり調整が出来ない
DSC_0040
メタルフレームのような鼻あてが付いていれば鼻幅を狭く、広くする事が出来ますが、セルフレームは出来ません。
DSC_0040
鼻幅と同様に顔幅の調整も工具を使って狭くする事は出来ません。
 
 
3.いちばん見落とすポイントがココ
 
DSC_0040
『目尻から水平に見て、フレームのツルが乗る位置』です。皆さんそれぞれに「耳が高い人」「耳が低い人」がいます。耳が高い人は眼鏡が傾斜になりやすく、耳が低い人は鼻幅が合っていても下に落ちてしまいます。
 
耳が高い人向け

DSC_0040
耳が高い人は、眼鏡のツルが高い位置に付いているフレームを選びましょう。そうすると傾斜になりません。
 
耳が低い人向け

DSC_0040
耳が低い人は、眼鏡のツルが低い位置に付いているフレームを選びましょう。そうすると下に落ちません。