遠用眼鏡をかけた事がない、強い遠視の高齢者

高齢の患者さんに、初めての中等度遠視の処方をする

オートレフのデータが中等度の遠視や乱視を示してしているのに、遠用眼鏡を使っていない人がいます。中等度ですから裸眼視力は相当悪く、0.2程度ではないでしょうか。

また、そういった人が持っている老眼鏡は遠用度数みたいな老眼鏡になっていて、近距離視力も良くないでしょう。意外とそういった人達に共通してるのが「これで間に合っている」ような事をおっしゃいます。

眼科的には、矯正すれば視力が出るのにこの状態のままではよくありませんから、医師から眼鏡処方の指示が出る事もありますが、遠用眼鏡を装用していない中等度の遠視・乱視の高齢者となると、いつもと勝手が違ってくるかと思いますので「遠用」と「近用」のポイントをまとめました。


そこそこの矯正視力が出るという前提で。

①【遠用処方】ずっと遠用の眼鏡をかけていないので、良好な視力にした強い度数をいつもかける事は出来ません。そのような時は、装用可能な度数に留めておいて「お芝居見に行く時に持っていく」「テレビを見る時に使う」などの使い方で仕方ありません。また、ご本人に遠用眼鏡を使う意思がないようなら無理に処方しない方がよいでしょう。

②【近用処方】中等度遠視の近用度数は、+6.00D前後の強い凸度数になります。水晶体調節力を補う加入度数に、遠視の分を完全に加えると「すごく見えるけど、虫メガネみたいな感じ・・」など、悪い装用感となります。「見やすい眼鏡にする」よりも「今よりも見える眼鏡にしてあげる」という感じで処方して下さい。

オートレフ値が強い遠視と乱視

 
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いつものように遠用から決めるよりも、近用度数を先に決めてから装用出来そうな遠用度数を決める方がやりやすいと思います。この遠用は何かを見る時に使うためで、近用は普通に使えます。
 
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