べっ甲眼鏡


原材料は、海亀「タイマイ」の甲羅

 

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鼈甲(べっ甲)は、熱帯に棲む海亀の一種である玳瑁(タイマイ)の甲羅が原材料です。タイマイはカリブ海やインド洋など赤道近くの暖かい海に生息し、大きいもので甲羅の長さは1m以上にもなります。タイマイの甲羅は温めると自由に曲がるという特性があり、また複雑な構造をしているため、人工では製造は不可能です。1993年、ワシントン条約により甲羅の輸入が禁止されました。よって現在は1992年以前に輸入したべっ甲を使用しています。

べっ甲の価格は色や透明度によって変わり、黄色い部分が多いほど、また透明度が高いほど高価になります。もちろん使用する量が多いほど高価になります。べっ甲は色合いや斑(ふ)の入り方によって名前が付いています。



 

タイマイの甲羅について

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【1. 首】背甲の一番上の甲羅で、1枚
【2.背甲】亀の背の中心の甲羅で、4枚
【3.舟甲】首甲の両脇に1枚ずつで、計2枚
【4.本甲】背甲の両脇に2枚ずつ計4枚
【5.袖甲】本甲の両脇下に1枚ずつ計2枚
首甲・背甲・舟甲・本甲・袖甲の色は淡黄色と暗褐色の「はん紋」があり、淡黄色が多いほど高価



 

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背中側の甲羅の中でも綺麗な「はん紋」が多い部分、淡黄色の色合いが多いか少ないかによっても価値が変わってきます。また、4枚の爪甲の裏からしか取れない爪裏(白甲)は、薄い上に何枚も張り合わせる必要があるため、大変希少で高価ものとなります。


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【白甲 -しろこう-】
尾の回りの4枚の爪甲(尖った三角形の甲羅の裏)から作られます。黄みがかった深い透明感は、変わるものがないほど美しい。透明感を出すのは熟練の技を要し、採れる量が少なく希少価値も高いため最高級とされています。


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【白茨甲 -しろばらこう-】
背中の甲羅の白い部分を集めて作られることもある弱冠の斑(ふ)が入ったべっ甲です。べっ甲の雰囲気が出るということで、白甲より好まれる場合もあります。


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【上トロ甲 -じょうとろこう-】
背甲から作る濃淡の弱いものをトロ甲といいます。トロ甲の中でも一番赤っぽいものを上トロ甲といいます。


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【中トロ甲 -ちゅうとろこう-】
背甲から作る濃淡の弱いものをトロ甲といいます。上トロ甲の次に赤っぽいものになります。上品にお顔に馴染む色合いです。


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【並甲 -なみこう-】
トロ甲に比べて黒っぽいものが並甲です。べっ甲は、やはり色が薄い方が高価となります。