オートレンズメーターは遠近両用と中近両用を区別出来ない「処方箋と一致する中近両用眼鏡の作り方」

皆様が多く使われている両用レンズには「遠近両用」と、室内専用に開発された「中近両用」があります。処方箋に基づき出来上がった眼鏡を眼科で確認した際に、処方度数とレンズメーターに表示さる度数が一致しない事がありますので、「遠近両用レンズ」と「中近両用レンズ」の順に御説明します。最初は遠近両用レンズから。次に中近両用レンズ(Ⅰ)、中近両用レンズ(Ⅱ)となります。眼科スタッフまたは、一般の眼鏡ユーザーにも分かるように書いたつもりですので参考にして下さい。


遠近両用レンズ

 

遠用部の度数
近用部の度数
一般には5m以上先が見えるように合わせますが、そうしなければいけないという決まりはありません。 一般には読書が出来る距離に合わせますが、その人の希望する距離もあります。
 中間部の度数 
遠用度数から近用度数まで達して行く度数が入ります。


遠近両用の処方箋は、2通りの書き方があります。(1の画像)のように遠用度数と加入度(ADD)を記載してある場合と、(2の画像)のように遠用と近用の度数をそれぞれ記載してある場合です。

眼鏡店がレンズを注文する時は、遠用度数を入力して加入度を入力し、発注します。(1)の処方箋の場合は記載されているそのままを入力。(2)の処方箋の場合は店員が加入度を計算して入力します。加入度(ADD)を記載する処方箋というのは最近の新しい書き方で、昔からの書き方は(2)です。

 

(1)加入度(ADD)を記載した処方箋に基づいて作ったレンズ内の度数区分

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(2)遠用と近用の度数をそれぞれ記載した処方箋に基づいて作ったレンズ内の度数区分

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カットされる前の遠近両用のレンズは、このようになっています。



 

②の処方箋に基づいて加工されたレンズをレンズメーターで測定する

 

(例)右レンズの測定
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1.【遠用度数の測定】レンズメーターは、レンズの一番マイナス寄りの度数を遠用度数と認識します。(レンズの上方)
 
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2.【近用度数の測定】レンズを引き下げて行くとレンズメーターは、このレンズの一番プラス寄りの度数を近用度数と認識します。(レンズの下方)
 
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3.【測定結果】②の処方箋で作った遠近両用は、遠用度数が「sph-5.00D cyl-1.00D Ax12°」で、近用度数が「sph-3.00D cyl-1.00D Ax12°」と測定されたので、この右レンズはsph-5.00D cyl-1.00D Ax12° ADD+2.00の遠近両用と判断してプリントアウトされます。
 
 結論 

眼科で発行した「遠近両用の処方箋」で作った眼鏡を、眼科のレンズメーターで確認した場合、処方箋の度数とレンズメーターの測定値は一致します。