中等度近視から遠近両用レンズ使用者が増える。 |
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近視の人でも、中等度近視以上になると境い目のない遠近両用レンズ(累進多焦点レンズ)を使う人が増えて来ます。その理由は「近距離の見え方」にあります。強度の近視は、眼鏡を外すと文字に15cm~20cmまで顔を近づけないと見えず、普通に本を読む距離(30cm ~ 40cm)だとぼやけて見えなくなってしまうのです。
強い近視の人が適度な距離で文字を読めるようにするには、明視距離を伸ばす為に凹レンズの老眼鏡が必要になります。眼から手元の範囲までが丁度良く見えるようにした度数が遠近両用レンズの「近用部」に入ると使い易くなるのです。
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遠用度数を室内(中間距離)に合わせて弱めに |
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遠くを見る部分は必ずしも目一杯に視力を出すのではなく、あえて両眼で0.7の視力に留めて室内(TV・PC)を見やすく合わせています。運転等に必要な強い遠方度数を省いた「中間距離合わせ」です。
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遠方を弱く合わせた場合は、加入度数も弱くする |
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通常の加入度数
水晶体を厚くして近距離のピントを合わせる力を「調節力」と言いますが、45歳あたりから加齢が原因で水晶体が硬くなり、年々厚みを増す力が弱くなってきます。この事を「加齢によって低下してしまった調節力=老眼」と呼びます。水晶体が厚みを増すという事は凸レンズの作用と同じなので、+1.50や+2.50というのは、それぞれの年齢別による低下してしまった調節力を補う為の凸レンズ度数です。既製品の老眼鏡の+1.50や+2.50も同じです。遠近両用を作る場合、この凸レンズ度数を「加入度数」と呼んでいて、遠く用の度数に加える事で近くが見えるようになります。
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この御客様のように50歳以上55歳未満では通常、+2.25Dを遠く用の度数に加えるという決まりがあります。この+2.25Dとは、遠方視力を最大限に出している場合に必要な「+2.25D加入」です。遠方視力を弱めに合わせた場合は、必ずしも規定通りの年齢に応じた加入度数にする必要はありません。遠方視力を弱めた状態で近くが適距離となる近用度数にするには、加入度数を弱くして調整します。
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