眼鏡合わせのPoint!
不同視弱視になりやすい遠視性不同視は、両眼共に外から入った光が網膜よりも後ろでピントを結びますが、弱い遠視の眼と強い遠視の眼では網膜の後ろにあるピントを『自分の調節力を用いて網膜上にピントを合わせられる』『自分の調節力を用いても網膜上にピントを合わせられない』と言う眼に分かれます。遠視性不同視は主に就学前後の子供を注視します。早い段階で弱視になりやすい強い遠視を発見し、眼鏡矯正を行って遠視を減らす治療に取り掛かかるためです。
◆【眼の成長期の遠視の左右差に注意!】
子供の視覚の感受性期(眼の成長期)における遠視を眼科医は注意しています。生まれた時は皆が遠視、就学頃に向かって遠視が減って正視となって行く過程で、まだ年齢相応以上の遠視が残っている子を見つけるためです。小児の遠視性不同視は、片眼の弱い遠視の方はピントが合っていても、片眼に強い遠視がある場合はピントが合っていませんので「弱視」になりやすいのです。この状態でも子供はこの見え方が当たり前と思って過ごしています。
小児の場合、かなりの度数の差がある眼鏡も問題なく掛けられますので、片眼に強い遠視があってピントが合っていない場合は眼鏡を装用して、眼に物を見る力を付けて遠視を減らす為の治療用眼鏡が必要になります。
◆眼球の成長はとても早く、小学校低学年のうちに大人と同じ大きさの眼球になります。片眼が見えないまま年齢が上がってからは、眼鏡矯正で強い遠視を減らす事は出来ませんので、レンズの左右差を装用可能な範囲内で合わせて眼鏡処方をします。また、強い遠視を長期間放置したままの場合、レンズで矯正しても視力が上がらない状態になっている事が多いです。大人になってから眼鏡を合わせる場合、片眼は視力が上がらないままのレンズで眼鏡装用するしかありません。
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